卵子凍結体外受精閉経

卵子凍結や体外受精の採卵は、閉経を早める?

採卵が卵巣や閉経時期に与える影響を、医学的根拠に基づいて整理します。

著者Akira Watanabe
公開日2025年10月1日

「採卵で卵巣が老化して閉経が早まるのでは?」という不安に対して、仕組みとエビデンスから解説します。

1. 採卵と卵巣への影響とは?

自然周期では毎月複数の卵胞が発育し、そのうち1つだけが排卵され、残りは自然消退します。

採卵は当月に存在していた卵胞を成長させて回収するプロセスであり、卵子を消費し尽くすわけではありません。

ハイライト
  • 採卵は卵子の総数を減らさない
  • 当月分の卵胞を活用するだけ

2. 卵子の数は増やしていない

卵巣刺激で複数の卵子を回収できますが、それはもともと当月に存在していた卵胞を成長させているだけです。

自然に消えてしまう卵胞を回収するため、閉経が早まることはありません。

3. 卵巣刺激のFSH注射:安全性と副作用

FSH(卵胞刺激ホルモン)は卵胞を成長させるホルモンです。治療では合成FSH注射を使って複数の卵胞を同時に成熟させます。

これは既存の卵胞をサポートするだけで、新しい卵子を作るわけではありません。そのため卵巣加齢や閉経を早める根拠はありません。

4. 次の一歩へ

不安があれば専門医に相談し、自分に合った治療計画を立てることが大切です。