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AMH卵巣予備能年齢要因卵子凍結IVF意思決定支援

Pillar3:AMHと年齢の基礎知識 ― 期待値と“早めに知る”メリット

公開日2025年10月18日

はじめに

AMH(抗ミュラー管ホルモン)は、卵巣にどれだけ卵子の“ストック”が残っているかを推定する指標です。本稿ではAMHの意味、年齢との関係、数値の見方と限界、検査後の行動をわかりやすく整理します。

1. AMHとは何か

  • AMHは卵胞から分泌され、卵巣予備能(=卵子の残数目安)を示す。
  • “数”の指標であり、“質”は直接わからない(質は年齢等の影響が大きい)。
  • 例えるなら:冷凍庫の容量(数)はAMHで、食材の質は年齢など他要因が決める。

2. 年齢とAMHの関係(目安)

年齢平均AMH値(ng/mL)卵巣予備能の目安
25歳4.0〜5.0豊富
30歳3.0〜4.0良好
35歳2.0〜3.0やや低下傾向
40歳1.0〜1.5減少期
45歳0.5以下閉経移行期に近い

あくまで平均的な目安であり、個人差は大きい(同年代で2〜3倍の開きも)。

3. 誤解しやすいポイント

  • 低AMH=妊娠できない、ではない(数が少なくても質の良い卵子があれば成立しうる)。
  • 高AMH=安心、でもない(PCOSなど排卵障害が隠れることも)。
  • AMHは不変値ではない(年単位で変化、測定法や体調差の影響も)。

4. AMHを知るメリット

  • “時間の感覚”が具体化(年齢だけでは見えない現在地を可視化)。
  • 治療・凍結の計画が立てやすい(採卵回数・凍結数・優先度の設計)。
  • 先延ばしに伴うリスクを定量化し、納得して選択できる。

5. 検査のタイミングと方法

  • 生理周期に関係なく採血可能(いつでも受検可)。
  • 結果は概ね2〜5日で判明。
  • 健診や婦人科検査の一環で受けられる施設が増加中。

6. 検査後の行動:今すぐ? もう少し待つ?

AMH値行動の目安コメント
3.0以上情報収集期余裕あり。凍結の検討開始に良い時期。
1.5〜3.0計画期1年以内に行動計画を具体化。
1.0以下実行期早期の採卵・凍結を優先。

数値は目安であり、年齢・既往・他因子(精子・子宮)と併せて医師と総合判断を。

7. よくある質問(FAQ)

AMHが低い場合、凍結する意味はありますか?

あります。卵子の“量”が少ないほど、今ある分を確保する価値が高まります。若い年齢で凍結した卵子は将来の妊娠率に直結します。

AMHが高すぎると問題ですか?

6.0を超える場合はPCOSの可能性があり、排卵障害の検査を併用します。値が高くても医師と計画すれば問題ありません。

何歳で測るのが良いですか?

28〜35歳が一つの目安ですが、“気になった時が最適”。早すぎて損はありません。

一度測れば十分ですか?

定期の再検査がおすすめ。1〜2年ごとに変化を把握すると意思決定が楽になります。

8. コラム:数字の“意味づけ”を変える

AMHは未来を狭める数字ではなく、選択肢を増やすための情報です。“いつか”を“今から準備”に変えるきっかけとして活用しましょう。

まとめ

  • AMH=“数”の指標、年齢=“質”の目安として別軸で捉える。
  • 早めに知るほど、計画の自由度と実行可能性が上がる。
  • 単独の数値で判断せず、年齢・既往・他因子と併せて医師と総合設計を。

理解してから、選びましょう。

BetterFreezeでは、信頼できるデータとバイリンガル医療従事者の対応で、あなたの状況に合う治療プランを一緒に考えます。

各クリニックと直接確認し、最適な選択肢をわかりやすくご提案します。