はじめに
卵子の数は年齢や体質、卵巣機能によって大きく変わります。ゴールを明確にしながら、自分にとって現実的なサイクル数を考えることが大切です。
卵子凍結の目的を再確認する
卵子凍結のゴールは将来の妊娠可能性を確保することです。数を増やすだけでなく、質の高い卵子を十分な数だけ保存することが重要で、若いほど必要数は少なく、高齢になるほど必要数は増える傾向があります。
年齢別の推奨凍結数とサイクル目安
年齢帯ごとの推奨凍結数と1サイクルあたりの平均採卵数から、必要サイクル数のおおよその目安を逆算できます。個々のAMH値や卵巣反応による幅がある点も念頭に置きましょう。
年齢層 | 推奨凍結卵子数 | 平均採卵数/1サイクル | 想定サイクル数 |
---|---|---|---|
〜34歳 | 15個前後 | 約10〜15個 | 1回で十分な場合も多い |
35〜37歳 | 20〜25個 | 約8〜12個 | 2サイクル程度 |
38〜40歳 | 25〜35個 | 約6〜8個 | 3サイクル以上 |
41歳以上 | 40個以上 | 約4〜6個 | 4サイクル以上を視野に |
年齢が上がるほど妊娠率を保つために必要な卵子数が増加します。個人のAMH値や卵巣反応によって差があります。
サイクル数を決める3つの要素
- ① 年齢(卵子の質):加齢とともに染色体異常率が上昇し、必要数が増える。
- ② AMH(卵巣予備能):高AMHの人は1回で多く採卵でき、効率が良い。
- ③ 目的と将来設計:1人出産なら約20個、複数希望なら30個以上を目標に。
費用と期間の目安
項目 | 内容 | 目安 |
---|---|---|
採卵1回 | 検査・刺激・採卵・凍結費用 | 約40〜70万円/回 |
凍結保存費 | 年間保管費(卵子10個あたり) | 約2〜3万円/年 |
全体期間 | 1サイクル=約1ヶ月、複数サイクルなら3〜6ヶ月 |
費用は「希望数×採卵効率」で決まります。初診の段階で目標数を共有しておくことが重要です。
まとめ
卵子凍結に必要なサイクル数は年齢・AMH・目的によって異なります。若いほど少ない回数で十分、年齢が上がるほど多くの採卵が必要です。目標は「理想的な数」ではなく「納得できる数」。最初の1回は現実を知るステップとして考えましょう。